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おせち料理の由来と歴史!縁起ある食材の意味も解説します!

新年を彩る「おせち料理」。

この名前を聞いて、何をイメージしますか?

日本の正月には欠かせないこの伝統料理は、ただの食事以上の意味を持っています。

この記事を通して、おせち料理の深い歴史、その由来、そして各食材が持つ縁起の良い意味について詳しく学べます。

漢字で「御節おせち料理」とも表記されるおせち料理の背景には、家族の絆や新しい年の願い、そして日本の風俗や習慣が息づいています。

一緒に、この伝統料理の魅力を探求してみましょう。

おせち料理の背景について、正月の伝統と意味を知る

おせち料理(重箱2段)
新年が訪れると、日本の多くの家庭では色とりどりのおせち料理がテーブルを彩ります。

この独特の料理は、ただの美味しい食事以上のものを表しています。

それは、長い歴史の中で形成されてきた日本の文化や伝統、そして正月にかける特別な願いや意味が詰まっているからです。

ここでは、おせち料理の魅力や背景、正月との深い関係について詳しく探っていきます。

正月とは?

謹賀新年

正月しょうがつは、一年の最初の月、つまり1月のことを指します。

日本では、新しい年の始まりを祝い、家族が集まり、特別な料理を食べたり、神社仏閣へ初詣に行ったりする伝統的な時期です。

この時期は、新しい年に向けての希望や決意を新たにし、前年の厄を払い清める意味もあります。

おせち料理が持つ特別な役割

おせち料理は、正月に食される特別な料理です。

各食材や料理には縁起の良い意味が込められており、食べることで一年の無病息災や豊穣、家族の健康などを願うことができます。

漢字で書くと「御節料理」

「おせち」は、漢字で「御節おせち料理」とも表記されます。

ここでの「せつ」は特定の日や時期、つまり「節句せっく」や「節会せっかい」を意味します。

正月はその中でも最も重要な節日せつじつとされており、この時期に食される料理を「おせち料理」と称しています。

節日について

節日は、特定の季節や歴史的な出来事を祝うための重要な日です。

これらの日は、伝統的な行事、特別な食事、または祭りを通じて、家族やコミュニティが一体となって祝う機会となります。

正月を始め、節分節分、雛祭り(桃の節句)、こどもの日(端午の節句)、七夕たなばた、お盆、秋分の日などがあります。

おせち料理の由来


日本の歴史を振り返ると、おせち料理の起源は飛鳥時代、奈良時代にまでさかのぼることができます。

この時代、年中行事や祭りが重要な社会的・宗教的役割を果たしており、季節の変わり目は神々への感謝と来るべき時期への備えの時でした。

「おせち」という言葉自体は、「せち」という言葉から派生しており、「せち」とは時節や季節の変わり目を意味し、「せち」は祭祀の日やその節目を指すとされています。

これらの日々は、古来より人々が新鮮な食材を捧げたり、特定の料理を作って神々に感謝や願いを込めたりする重要な機会でした。

特に、おせち料理が現在知られる形で広まったのは江戸時代の中期頃です。

この時期には、都市文化が花開き、商人階級の台頭によって、より洗練された食文化が生まれました。

正月の準備として、多くの労働を伴う料理を事前に調理し、新年を迎える準備を整える習慣が生まれたのです。

これが、現代に続くおせち料理の基礎となりました。

それぞれの料理には、豊作を祈るもの、家族の健康を願うものなど、様々な意味が込められており、これらの背景を知ることで、おせち料理が持つ深い歴史や文化を感じることができます。

おせち料理っていつ食べるの?

新年の訪れを家族とともに祝う日本の伝統、おせち料理。

この特別な料理は、いつ、どのような時に食べるものなのでしょうか。

以下では、おせち料理の正しい日時と、それにまつわる風習や習慣について詳しく解説していきます。

正月の具体的な日時とおせちを食べる習慣

おせち料理は、新年を迎える日本の伝統的な行事である正月に食べられます。

具体的には、1月1日の元日から数日間、特に初一、初二、初三の三が日にかけて家族とともに楽しむ料理として親しまれています。

多くの家庭では、大晦日に事前におせち料理を用意し、新年が明けた後、家族みんなで一緒に食卓を囲みます。

おせち料理を食べる際のマナーや風習

おせち料理を食べる際には、いくつかの伝統的なマナーや風習が存在します。

  • 順番: おせち料理の重箱は多くの場合、三段になっており、上から順に食べるのが一般的です。
  • 食器: 伝統的には、正月に用意される特別な漆器やお椀で料理をいただきます。
  • お屠蘇:おせち料理を食べる時、お屠蘇を飲むことは日本の伝統的な習慣です。お屠蘇は、薬草を混ぜた特別な日本酒になります。
  • 祈りの言葉:食べ始める前に「いただきます」とは別に「抱負・祈願」など、新年の感謝や願いを込めて一言祈りの言葉を述べるのも大切な風習です。
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「今年も家族みんなが健康でありますように」と述べておせち料理をいただきます!

おせち料理の歴史

奈良の平城京

奈良の平城京

飛鳥時代から現代までのおせち料理の変遷。

おせち料理がどのようにして正月の風物詩となったか。

年表形式にまとめました。

  • 645-780
    飛鳥時代-奈良時代

    『万葉集』などの文献に「せち」という言葉が現れる。

    この時期の「せち」は、特定の日に神への感謝を表す祭りや行事を指していた。

  • 794-1185
    平安時代

    宮中や貴族の間で、新年を迎えるための料理が盛られる習慣が始まる。

    おせち料理の原型とも言える、五節句に合わせた料理や行事が行われる。

  • 1603-1868
    江戸時代

    庶民の間にもおせち料理が広まる。

    現代のおせち料理に近い形式の料理が現れる(黒豆、伊達巻、田作り、数の子など)。

    保存性を重視した料理が増え、正月の間に料理をすることなく過ごせるようになる。

  • 1868-1912
    明治時代-昭和初期

    西洋文化の影響を受けた料理がおせち料理に取り入れられる。

    缶詰や冷蔵技術の発展により、保存方法や食材の選び方に変化が見られる。

  • 1955-2000
    昭和中期-平成初期

    スーパーやデパートでのおせち料理の予約・販売が一般的となる。

    伝統的な料理の他に、洋風の料理や地方の特産料理など、バラエティ豊かなおせち料理が増える。

  • 2001-2018
    平成中期-平成後期

    インターネットの普及により、おせち料理のオンライン注文が増加。

    個人の好みや健康志向、アレルギーなどに合わせてカスタマイズできるおせち料理が増加。

    伝統的な料理の他に、洋風の料理や地方の特産料理など、バラエティ豊かなおせち料理が増える。

  • 2019-2023
    令和

    「ひとりおせち」を始め様々なスタイルのおせち料理が人気となる。

このように、おせち料理は時代とともに変化してきましたが、新年を祝う日本の伝統的な食文化としての役割は変わらず続いています。

おせちの主要な食材とその意味

おせち料理

日本全国のおせち料理には地域ごとの特色が見られますが、ここでは主要な7品目とそれぞれの縁起を取り上げて紹介します。

黒豆(くろまめ) – 勤勉さの象徴として「まめに働く」という意志の強さを願っています。
数の子(かずのこ) – 数多くの粒が子孫繁栄の願いを表します。
田作り(たづくり) – 豊作を祈願し、五穀の豊穣を願う象徴です。
伊達巻(だてまき) – 学問や文化を象徴するものとされ、良いことが巻き起こることを願う。
栗きんとん(くりきんとん) – 金色の見た目から、金運上昇や商売繁盛を願っています。
海老(えび) – 背が曲がった姿から長寿を象徴する。
紅白なます(こうはくなます) – 祝い事や縁起の良い日に食べられる、酢の物。

さらに、鯛は「めでたい」の語呂合わせから、特別な祝いの席には欠かせない魚とされています。おせちの一品としては塩焼きにし、またお酒の席では刺し身として楽しまれます。

家族みんなが新年の幸せや健康を祈り、共に過ごすこの時期の食事は、日本の伝統的な風情を感じさせます。

伝統的には、おせち料理は大晦日に前もって準備し、正月の3日間は新たに料理をせず、静かに過ごすための保存食として用意されていたと言われています。

おせち料理の重箱の配置と順番の慣習

おせち料理の各食材や料理にはそれぞれ意味が込められていますが、一般的に「重要な順番」というのは明確に定まっているわけではありません。

しかし、重箱に詰める際の配置や順番には一定の慣習が存在します。

伝統的なおせちの重箱は、三段重や二段重であり、それぞれの段に具体的な意味合いがあります。

一の重(上段):主に黒豆や数の子、田作り、子持ち昆布などの煮物や、酢の物を入れます。これは神仏へのお供えとして最も格式の高いとされる段です。
二の重(中段):伊達巻、はまぐり、焼き魚、海老、栗きんとんなど、焼き物や揚げ物、あるいは煮詰めたものを配置します。
三の重(下段):紅白かまぼこ、昆布巻き、錦玉子、なますなどの酢の物や、漬け物などの軽い料理を入れるのが一般的です。

このように、重箱に詰める際の順番や配置はある程度の慣習がありますが、現代では家庭や地域、または個人の好みに合わせてアレンジされることも多くなっています。

伝統を尊重する一方で、新しい食材やアイディアを取り入れるのもおせちの魅力の一つです。

現代のおせち料理

おせち料理は古代から続く日本の伝統的な料理ですが、時代とともに様々な変化やアレンジが加えられてきました。

伝統的なおせちだけでなく、現代の家庭や店でのアレンジおせち

近年では、伝統的なおせち料理だけでなく、現代の家庭や店でのオリジナルのアレンジが増えてきました。

洋風の要素を取り入れた料理や、ヘルシー志向の人々向けに低カロリーな料理など、様々なニーズに応える形でおせち料理が進化しています。

地域性や流行りの食材を取り入れたおせち料理の例

地域によっては、その地域特有の食材や風味を取り入れたおせち料理が提供されることも。

例えば、魚介類が豊富な地域では新鮮な海の幸を主体にしたおせちが人気であったり、肉類をメインとしたおせちも増えてきました。

精肉店や焼肉店が、高級な黒毛和牛の希少部位を詰め合わせた「肉おせち」などもありますね。

また、健康ブームや食材の流行に合わせて、スーパーフードを取り入れたおせち料理なども見られます。

ちなみに私たちのお店では以下のおせち料理を提供しております!

おせち料理と共に供されるお屠蘇とは?

おせち料理とお屠蘇(おとそ)

おせち料理とお屠蘇(おとそ)

おせち料理とともに供される「お屠蘇とそ」は、新年を迎える際の祝いや祈願の意味を持つ特別なお酒です。

屠蘇とそは、新年の祝い事の際に、家族や参列者と共に飲むことで一年の無病息災や家内安全、豊作を祈るとともに、家族やコミュニティの絆を深める役割があります。

正月においては、新しい年の幸福や健康、さらには邪気を払う意味合いも持ち、家族全員で飲むことで新たな一年の祝福を共有します。

屠蘇とそには、薬草が混ざった日本酒が用いられることが一般的ですが、地域や家庭によっては、甘酒に似た低アルコールの甘いお酒や澄んだ清酒(お神酒)を用いる場合もあります。

このお屠蘇とそを飲む習慣は、古くからの日本の風習として、正月の風物詩として親しまれ、新年の訪れとともに行われる大切な儀式の一つです。

お神酒とお屠蘇の違いはありますか?

お屠蘇

お神酒

「お神酒」とは、神事や祭り、節句などの特別な日に神様への奉納や人々が飲むための酒を指します。

通常は清酒(きれいに澄んだ日本酒)が用いられます。

神社の神事や家庭の祭祀などで、神様に供えられた後、参列者や家族が頂く習慣があります。

お屠蘇

「お屠蘇とそ」とは、正月に飲む習慣がある薬酒のことを指します。

元々は病を防ぐ、あるいは邪気を払うための酒として用いられました。

おとそには、数種類の薬草(例: 山椒など)を入れて数日から数週間漬け込んで作られます。このため、特有の香りや風味があります。

正月の朝、家族が順にお屠蘇とそを飲むことで、一年の無病息災を願う風習があります。

特に1月1日の早朝、最初に年長者から順に若者、子供の順に飲むことで、年長者の知恵や経験が若者や子供に受け継がれるという意味合いも持たれています。

地域により、お屠蘇とそは子どもから飲むという習慣がある場合もございます。

これらの違いから、お神酒は神聖な酒としての側面が強く、一方でお屠蘇とそは新年の健康や長寿を願う薬酒としての側面が強いと言えます。

そして、私たちの地元、熊本のお屠蘇とそと言えば「赤酒」です!

まとめ

おせち料理は、単に美味しい料理として楽しむだけでなく、家族や親しい人々との絆を深める大切な役割があります。

正月という特別な時期に、伝統的な食事を通して、家族との絆や感謝の気持ちを新たにすることができるのです。

また、新しい年を迎える際の日本の伝統としてのおせち料理は、その重要性が高まっています。

伝統を守りつつも、時代とともに変わる食文化を反映して進化しているおせち料理。

それは、日本の文化や歴史、そして家族の絆を感じることができる、非常に価値のあるものと言えるでしょう。

この記事を書いた人

フクシマ板長

福島 祥晃(Fukushima Yoshiaki)

1974年生まれ、熊本県阿蘇郡小国町出身。
所有資格:ふぐ処理師・調理師
生まれ故郷の黒川温泉で料理人としてのキャリアをスタート。12年間の修行を積むなか、28歳で料理長(板長)となる。その後、熊本市の繁華街にある「いけす居酒屋」へ移り板長を14年間務める。2021年4月、株式会社ROCCAが運営する「魚匠うおたらし」の立ち上げ、全ての店舗運営の責任者として就任。目利き、素材を活かした料理に対する深い知識と技術は、多くの常連客を虜にし、中でも活魚を料理へと昇華する彼の包丁さばきは、見る者すべてを魅了する圧巻のショータイムに。カウンターは予約必須の名席となっている。

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